珈琲の雨 1

好きなこと、ひとつぶ紹介。 今回は”珈琲”の雨のおはなし。

「コーヒーなんて飲めない!苦いし!」

カフェや喫茶店に行ってもせいぜいカフェオレかカフェラテ。

これから先もコーヒーが美味しいと感じることなんてないだろうと思っていました。

ところが・・・不思議なもので。

とある珈琲屋さんが、出会わせてくれたんです。”それ”に。

私の地元でたくさんの音楽に触れることのできる場所、廃校利活用施設の「いいかねPalette」。

音楽に興味のあった私は学生の頃からよくひとりで通っていました。

元小学校の階段下に、小さな珈琲屋さん。

優しく温かい雰囲気の中、すぅっと吸い込まれるこの感じ。

ふわりとした挨拶をしてカウンターに座り、店主が声を掛けてくれる。

「珈琲、飲める?」

全くのコーヒー嫌いだった私は、甘めのカフェオレを注文。

来る日も来る日も甘めのカフェオレ。フレーバーはヘーゼルナッツがお気に入り。

ある日、店主が小さなビーカーのようなカップに少しだけコーヒーを淹れてくれました。

「おすそわけ。」

私は正直戸惑った。飲めないし。絶対飲めないし!むりー!!

おどおどしながらお礼を言い、えいっ!とごくり。

・・・あれ?苦くない!?なんだこれ!コーヒーじゃないみたい!

気が付くと「おいしい」という感情が音となり、溢れていた。

なんだか大人になった気分!!

続きはまた次回。

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