前回の続き
確か、梅雨時期だったかな。蒸し暑い雨の中。
いつも夕日の写真ばかり撮っていたので、少し違うものを撮りたくなった私は長靴と傘を持って外に出た。
傘に落ちる雨粒ってこんなにきらきらしていたっけ。
水たまりの波紋ってこんなにきれいだったっけ。
いろんなものがうるうると素敵に見えた。
もっといろんな人に共有したいなぁ、見てほしいなぁ。とタイムラインに投稿するようになった。
季節の植物、時間によって変わる空の色、たまに友達。
気になったものすべて残していた。
中学校生活が終わる頃、卒業アルバムに友達から寄せ書きをしてもらった。
「いつも写真綺麗やね。」「撮り続けてね。」
何人かの言葉が今でも私の中で生きている。
写真を撮るのに使っていたipod touchはiphoneに変わった。
自分が見たもの、気になったものを残す行いは変わらず、私の中にある。
いろんなもの、ひとに出会い、触れる機会が多くなり、心が動くたびに私の写真の雰囲気も変わっていった。
単純なので、見たもの、聴いたこと全て一度「 私 」の中に入ってくる。
ぱっと明るくなったり、ずんと暗くなったり、
きらっと鮮やかになったり、さわっとくすんだり。
色になって、形になって、見える感情として残していくのが楽しくなった。
もっといろんなもの、人に出会いたい。見てみたい。
原付の免許を取った私は、父からもらったリトルカブで行動範囲を広げた。
続きはまた次回。