前回の続き
それからも毎日のように写真を撮り続け、日常を切り取る。
何度かいろんな人にフィルムカメラをもらう機会があり、それで撮ってみることも。
これはもらったカメラの一部。
それでもなんだかうまく馴染まなかったり、またまた壊したり・・・。
ありがとうとごめんねを繰り返す中で、
まだ今はしっかりとしたカメラじゃなくてもいいな、格好としてはそりゃあカメラの方がかっこいいかもだけど。私にはまだ早いのかも。そんなふうに思っていた。
それでも写真は好きだし、切り取って、切り取って。
二十歳を超えて、リサイクルショップによく行くようになり、初めて出会った。
「このフィルムカメラが欲しい。」
無造作に置かれたその体とストロボ、レンズたち。
お店のおじちゃんが、「使えるかどうかわからないから、全部セットにしてあげる。」と大特価でそれらを手に入れた。
使えなくても、自分で欲しいと思ったのだから、いいや。
あまり考えず、軽い気持ちで電池とフィルムを入れ、蓋を閉めると、
ウィーン。どきどきと嬉しさを感じる音。
るんるんで36回シャッターを下ろし、現像に出した。
ぶれぶれの写真や光でよくわからない写真も多く、無事だったのは10枚弱くらい。
それでも嬉しくて、その色が私に馴染んだ感覚を覚えている。
人物やそこにあるもの、存在するけど掴めないもの。キリトリ、残すことが好き。
画面上で見るデータだけでなく形にしようと思い、
「kirei」「留白」「狐の住む街」の三冊のzineを作った。
今までたくさんのカメラと出逢わせてくれた、私の写真を見てくれた、
その中でそれを好きだと言ってくれる、みなさんに感謝です。
頑張るわけではなく、好きを切り取っている今、
そろそろきちんとした操作方法なり、写真の知識をつけるべきかなぁと思う反面、
でも、道具より「撮る」という行為が好きだなぁとふんわり思う。
まだまだ知らないこともたくさん。いろいろな景色や写真に出会い、ゆっくり進むことにしよう。
「写真の雨」のお話は雨上がり。