写真の雨 4

前回の続き

それからも毎日のように写真を撮り続け、日常を切り取る。

何度かいろんな人にフィルムカメラをもらう機会があり、それで撮ってみることも。

これはもらったカメラの一部。

それでもなんだかうまく馴染まなかったり、またまた壊したり・・・。

ありがとうとごめんねを繰り返す中で、

まだ今はしっかりとしたカメラじゃなくてもいいな、格好としてはそりゃあカメラの方がかっこいいかもだけど。私にはまだ早いのかも。そんなふうに思っていた。

それでも写真は好きだし、切り取って、切り取って。

二十歳を超えて、リサイクルショップによく行くようになり、初めて出会った。

「このフィルムカメラが欲しい。」

無造作に置かれたその体とストロボ、レンズたち。

お店のおじちゃんが、「使えるかどうかわからないから、全部セットにしてあげる。」と大特価でそれらを手に入れた。

使えなくても、自分で欲しいと思ったのだから、いいや。

あまり考えず、軽い気持ちで電池とフィルムを入れ、蓋を閉めると、

ウィーン。どきどきと嬉しさを感じる音。

るんるんで36回シャッターを下ろし、現像に出した。

ぶれぶれの写真や光でよくわからない写真も多く、無事だったのは10枚弱くらい。

それでも嬉しくて、その色が私に馴染んだ感覚を覚えている。

人物やそこにあるもの、存在するけど掴めないもの。キリトリ、残すことが好き。

画面上で見るデータだけでなく形にしようと思い、

「kirei」「留白」「狐の住む街」の三冊のzineを作った。

今までたくさんのカメラと出逢わせてくれた、私の写真を見てくれた、

その中でそれを好きだと言ってくれる、みなさんに感謝です。

頑張るわけではなく、好きを切り取っている今、

そろそろきちんとした操作方法なり、写真の知識をつけるべきかなぁと思う反面、

でも、道具より「撮る」という行為が好きだなぁとふんわり思う。

まだまだ知らないこともたくさん。いろいろな景色や写真に出会い、ゆっくり進むことにしよう。

「写真の雨」のお話は雨上がり。

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